2012年5月23日水曜日

常識が覆された今までの戦略理論 5

次はナポレオン自身の言葉である。

「真実を言えば、私は自分で自分自身の行動を決定したことはない。
私は、自分の方針に合わせて状況を変えようとするほど、非常識な男ではないからだ。
反対に私は予測される将来の状況に合わせて、自分の方針を変化させたのである」


つまり、はじめから目標設定や行動計画をやっていたわけではない。

    過去の先例の組み合わせが意味ある目標となる瞬間。

    そして、その意味ある目標が実現可能と思える決定的瞬間。

それをただ「待って」いただけなのである。


とはいえ、目標設定や行動計画の重要性をここで否定している訳ではない。
「まずはじめに、目標ありき」ではないということを言いたいのだ。

欧米から入ってきた、経営戦略にしても成功法則にしても、すべて「目標」ありきだ。

西洋哲学の根底には・・

 すべては絶対的な法則で動いている。
 故に、その法則を見つけ、目標を持ち、主体性を持って行動すれば何事も達成される。

というような観念がある。

だからこそ、前回お伝えしたジェミニの戦略論が欧米各国の国防戦略にも受け入れられたのであろう。
しかし、実際のナポレオンの思考や優れた現場の指揮官は全く違っていたということが最近わかってきたのである。
アメリカ軍も2005年にやっと、ジェミニ理論を捨てて、クラウゼヴィッツ理論で戦略を展開するようになってきたようである。

20年前ほどから大きなムーブメントを作り出した西洋社会における東洋哲学への憧れ。
これは、「目標ありき」では物事がうまくいかないということを、無意識に感じはじめたからではないだろうか。

戦略的直感の4ステップの2番目と3番目

 2.先入観にとらわれない平常心
 3.成功事例や情報を結びつけるひらめき

まさに禅の世界であり、悟りへの境地につながるものである。








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