2010年11月1日月曜日

<コンサルタントのナマ現場4 その2>


●商品は一流、集客も一流、それでも売上げが下がる理由とは?その2


<・・・前回からの続き>

商品も一流、マーケティングも一流。
この数年倍々ゲームで業績を伸ばしてきた。
そんな地域ナンバーワンの企業が、
たった
1年で売上げが半減している。

しかも集客力は下がっていないのに・・・


そんなシンデレラ企業の落とし穴とは?


さて、営業担当役員、といっても
営業は一人なのであるが、
その彼とのヒアリングでのこと・・


「え、30年近く仕事をやってきて営業経験が
一度もないですって?」

「はい・・」


「それで社長が新規事業を始めた後、
営業を一人で担当しているのですか?」


「はい・・・」


「では、ちょっとロールプレイングをやってみせてください」


「ええ・・・」


・・後はご想像のとおりである。


つまりこのシンデレラ企業は、
「売りの仕組み」ができていなかっただけなのである。

マーケティングノウハウを駆使して会社が急成長し、
セミナーや出版で顔を売っていた社長が相手に対して

「任せていただければ、安心です。やりましょう」

ということだけで、今まで成約ができていた。


しかし、新規事業の展開で社長が抜けた後、
この営業担当者たった一人に本体の営業を任せてしまったのである。

しかも前回お話したとおり、社員の不満が蔓延している中、
この営業担当者が他の社員のなだめ役をやっていたようだ。

それではどうしてもエネルギーが内向きになる。
(念のため付け足しておくが、この方はフォロアーとしては
、大変優れた人である)


さらに業績が上がらないことを他の役員から責められ、
営業のノウハウも経験もなく業績が上がらなければ、
半ばノイローゼになっても仕方がないことである。

この会社の業績回復には、新規営業マンを採用するか、
現在の営業担当者をトレーニングするだけでいいのである。

私はこの事例を特殊な例としてあなたにシェアしたのではない。

実は多くの会社が、優れた商品や優れた社員、
あるいは優れたビジネスアイデアやノウハウをもっていながら、
全体の「仕組み」のバランスが取れていないために、
業績を落としているのである。


特に、ここ最近、コンサルティングの相談を持ち込んできた
会社のほとんどが「仕組み」に問題があった。

「仕組み」さえ構築できれば
すぐに23倍の売上げが可能と思われるのに、
もったいないことである。

ビジネスがうまく行くにはいろんな要素がある。
私の師匠の一人、竹田陽一先生は

「戦略とは社長の術であり(戦術とは社員の術)、
どんなに戦術に優れていようと、業績の7割は戦略で決まる」
とおっしゃっている。

戦略とは、商品戦略、顧客戦略、営業戦略、財務戦略、
地域戦略、組織・リーダーシップなどであり、
各戦略は掛け算で成り立つ。

つまりどこかがゼロやマイナスであれば、
全体に影響してしまうのである。

どんなに商品やマーケティングが優れていても、
顧客の組織化ができていても、
どこかの仕組みが劣っていれば、
業績は急激に低下してしまうし、
仕組みがうまくできれば業績回復は早いのである。

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