2010年9月24日金曜日

コンサルタントのナマ現場 3



口コミを仕掛けた企業が勝つ!


今の時代、ビジネスの成功の秘訣は「原点回帰」であると
私は主張してきた。

その理由は「もしドラ」などの影響もあって、サラリーマン
だけでなく、主婦や学生までもが、ドラッカーやカーネギー
などの古典的なビジネス書を読み始めたということ。


つまり、あなたの会社の経営姿勢をお客が評価し始める
ということだ。


さらに、現在は消費マインドが冷えているのにかかわらず、
ネットによって情報量が急増している。
それはバブル絶頂期の折込チラシの量の比ではない。


そんなとき、消費者は心理的に次のように反応している。

しかも無意識に・・・


「どの商品(会社)が本物か、
 私にとって本当に価値あるものなのか?」

「どの会社(店)が私のことをちゃんと
 理解してくれるのか?」

「・・これらの問いに短い時間で誰か
 答えてくれないだろうか?」


ということは、あなたの会社には、
次のようなことが重要になってくる。


1.商品のベネフィット、他との違い、そしてこだわりを
  今まで以上に「わかりやすく」「簡略」に伝えること。

2.会社のミッションやストーリーなどをうまくアピールし、
  「共感」「感動」を得ること。

3.社会的に「信頼できる第三者」の評価を得ること。


困難、試練の中にこそ、チャンスがあるとよく言われるが、
不況の時代こそ、以上のように原点回帰することが大切だけ
でなく、原点回帰を大きな武器とすることが出来る。


つまり口コミを仕掛けた企業が勝つ時代なのだ。


下記はメールによるコンサルティング事例だ。
あなたの会社もこの回答の中に戦略のヒントを見出して欲しい。


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伝統産業、成熟産業のビジネスモデル転換方法


相談内容 

私は日本酒の製造販売業をしておりますが、
思うように日本酒が売れません。

既存のお客様である酒販店の売り上げも下がる一方。
売り上げも20年前の20%まで下がりました。

新規を探しても興味を持ってもらえません。
やはり効果的な見込み客集客でしょうか?


澤田の回答

確かに20年前から比較すれば全国の日本酒の消費量も
半減していますので、厳しい立場にあることと推察いたします。

しかも売り上げが20%になっても会社が存続しているということは
奇跡に近いことです。

かなりの借り入れだけでなく、個人資産などで資本増加し、
ご苦労されたことでしょう。

ただそれにもまして、顧客が愛飲してくれているのは、
どこかに貴社の商品・ブランドに魅力があるはずです。

そこで、質問があります。


「あなたの本当の顧客はだれでしょうか?」

「その本当の顧客が、あなたの商品を
 こよなく愛している理由を知っていますか?」

「そのあなたの商品をこよなく愛している人たちに
 特別な商品、特別なサービス、特別なイベント、
 特別なストーリーなどを提供して、
 さらにあなたの商品の顧客であることを
 他人に自慢したくなるような工夫をしていますか?」



伝統産業の復活のビジネスモデルはいくつかあります。

 1. 商品を美術品や希少高級品レベルまでに高め、
  少数の信者客に高級であることの満足感を与える

 2.さらに日本ブームに相乗りし、海外の高額所得者を狙う。

 3.製造過程見学や社史などを展示をし、
  エンターテイメントとして集客する。

 4.「○○づくり体験教室」など体験型エンターテイメント
  として集客する。

 5.既存の商品をさらに加工し、付加価値をつけた商品にする。
  

後は、専用商品化という戦略もあります。
たとえば日本酒で言えば、ネーミングやラベルなどを工夫し、
住宅の上棟式や新築祝い専用の日本酒、祭り専用の日本酒、
などが考えられますが、
参入障壁が低いので他社がすぐに追従してくる可能性があります。

時代の流れで消費量が減少した産業は、
シェアを取っている企業以外、地域密着型か最終消費者に
ターゲットを変更する必要があるのです。

今まで多くの酒蔵、日本酒メーカーは法律による規制もありましたが、
逆にその規制の中で守られてきた面あります。
そして流通と販売をほとんど卸売業や販売店に頼ってきました。

toBのビジネスモデルからBtoCに事業戦略を
いかに転換できるかが、貴社の成功のカギになります。

本当のお客は酒販店ではなく、
あなたのお酒をこよなく愛してくれている
「よきオヤジ殿」なのです。


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