●Xファイル
今だからこそ明かせるが、このパートナー養成講座には、絶対に他言しない、他者へは公開しないという、固い約束をさせられて、手渡された「Xファイル」なるものが存在した。
もう時効だと思うので、そのXファイルについてお話ししよう。
話は養成講座の第1回目の合宿の直前、10日前に遡る。
K氏から電話があった。
「Sさん、養成講座の受講者に手渡す教材ですが、一人300万円もの大金をもらうわけですから、それなりの教材を渡さなければならないと思うんです」
「ええ、ですから毎回6回にわたって、300ページほどのマニュアルを手渡せるように、今作成中ですが・・」
「いや、それだけじゃ足りないような気がするんです。一つアイデアがあるんですが、Sさん、明日こちらに来られませんか?」
「それは大丈夫ですが、何をするんですか?」
「それは来られてから話しましょう」
ということで急遽、九州から関東へ飛んだ。
K氏のアイデアとは、今までの電話コンサルティングのクライアント資料に優れたものが多数ある。広告やチラシやセールスレターである。
しかし、クライアントから公開許可を取っていない。また今から許可を取るにも時間がない。
それらの事例から100事例ほどピックアップし、なぜ優れているのか、なぜうまくいったのか、K氏流の特別解説をつけて、指導スキル向上にパートナーコンサルタントだけに公開しようというものだった。
まさに、非公開の極秘資料「Xファイル」であった。
ただし、時間がない。第1回目の合宿まで10日を切っており、印刷作業を含めると、2~3日で原稿を作成しないと間に合わなかった。
そこで、K氏がポイント解説を口頭で行い、それを私が書きとめ、その後、解説原稿に私がまとめるという作業を行うことになった。
100事例についてK氏の口頭解説に5時間、それを原稿にまとめるのに2日間の徹夜作業となった。
この作業は本当に大変だったが、非常に短期間にこれだけの事例の解説を書いて行くということは私自身、大きなトレーニングであり、ケーススタディとなった。
そして、当日手渡された参加者もこのXファイルに感動した。
当時日本でも、アメリカの人気TVドラマ「Xファイル」がブームになっていたため、そのイメージをダブらせ、ものすごい価値があるものに感じられたためだ。
K氏のこのネーミングとアイデアは大正解だったのである。
K氏の優れているところはまさにこの商品に対する価値づけだろう。
発売、発表ギリギリまで、商品の価値を上げることを考え続ける。
そして、クライアントの興味を引き、イメージしやすいネーミングを導き出す。
その後、一緒に仕事をやるようになり、彼の商品に対する考え方の基本がわかったのだ。
彼は常に、
「良い意味で顧客の期待を裏切り感動させるには・・」
「コンテンツの価値を顧客が考える10倍に高めるには・・・」
と考え続けているのである。
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