●選考基準
このコンサルタント養成講座は「パートナー制度」と名付けられた。
ただ単にK氏の下部組織としてではなく、パートナーシップを組み、同じ目線で、日本の中小企業活性化の起爆剤になる、という願いがあったからだ。
募集に応募してきたのは100人近く、その中から書類選考し残った20名程度との面接となった。
書類選考の基準は何だったのか?
まず学歴は全くほとんど関係なし。私も高卒だから当然?いやK氏も同じ考えであった。
実際、最終的に選ばれたメンバーのうち、半分は高卒あるいは高卒同然だった。
職歴や実績も参考程度でしかなかった。
何よりも大切にしたのは、動機、信条、ミッション・ビジョンであった。
これは私もK氏も全くの同意見だった。また書類選考で残した人も100%一致していた。
何をしてきたかではなく、どんな気持ちでそれを行ってきたか。
そしてどんな想いで、何をしようとしているのかを見ていったのである。
そして、動機、信条、ミッション・ビジョン、これらの「価値観」が一致しなければ、同じチームとしてパートナーシップを組めない。
実際、選ばれたメンバーは個性豊かな面々で、運営する上で意見調整するのに本当に苦労した。
しかし、一旦まとまれば、凄まじいエネルギーを発揮し、素晴らしいスピードで事が運んで行くのであった。それは価値観が一致しているからである。
では面接時の基準は何であったか?
一言でいえば「感謝の気持ち」を持っているかどうかである。
そんなことで?と思われるかもしれない。
しかし、これが非常に重要なことなのである。
まず、通常の面接で行われるありふれた質問から入る。そして次第に子供時代の話を聞き出す。それから・・
「その時のご両親はどんなことをしていましたか?」
「どんな人だったのですか?」
「ご両親にどう感じていましたか?」
という話をしてもらうのである。
何と単純なことと思われるかもしれない。
しかし、これが意外と重要な要素なのだ。
それは、親に対して、怒りや憎しみの感情を持ち続けていると、心理学でいう「転移」という問題が起こってくるからだ。何らかの引き金で、自分の親との関係性を他の人間関係にダブらせてしまい、怒りや憎しみの感情をぶつけてくる可能性があるからだ。
特に上下関係が薄いパートナーシップを基本とするような組織は、ここが非常に重要な要素になる。
この20人ぐらいの面接で上記の質問をし、親のことを話してもらうと、実際4~5人が親への感謝の気持ちから涙を流して泣いた。
もちろん、その泣いた全員はすべて合格!であった。
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