2010年7月26日月曜日

カリスマ・コンサルタントとゆかいな仲間たち<12>


●どのようにチームビルディングしたのか?

4月に始まった月一回の半年間の講座も終わり、全員無事卒業となった。
ただし、今後年1回、パートナーコンサルタントとしてふさわしいかどうか、顧客調査などによる査定を行うという、条件付きである。

それぐらい、意識とクオリティの高さを要求した。
単なるフランチャイズ制度ではなかったからである。

メンバーの一人でも顧客からの評判が悪いと、全メンバーの信頼も下がってしまう。
以前にもお話ししたように、K氏は「コンテンツの価値を10倍にする」という意識が常にあったということからも、このあたりの厳しさはお分かりいただけると思う。


「しかし、あれだけの個性あるメンバーをよく一つにできたものだね」とよく言われた。

そこで、どのようにチームビルディングしながら、メンバーの意識とクオリティを高めて行ったのか?

その秘密をご紹介しよう。


チームビルディングにおいては「連帯感」と「
公平感」が重要であると私は思っている。



そしてより大切なのが「公平感」である。
その意味は二つある。

一つ目は、平等に分け与えるという意味ではなく、チャンスは平等だが、実力のある人、努力している人にはそれなりの報酬や褒賞が必要なのである。

たとえば、マーケティングのセミナーを行うとする。
全国各地でやったとしても、参加者の6割以上は東京会場に集中する。
だから、誰もが東京でセミナーを行いたい。

それをもし、平等に輪番制でやれば、実力のある人、努力している人のモティベーションが下がってしまうのである。
それでは、全体のレベルも向上しないし、まして顧客視点で見れば、大変失礼なことである。

メンバーのモティベーションを維持しながら、自分の実力を客観的に見られるように、気付かせていかなければならない。

また競争意識を持たせながら、「連帯感」も創出しなければならないのである。


「公平感」の意味の二つ目は、「あなたのことを大切に思っていますよ」と感じさせるような、メッセージを常に発しておくことが重要だ。

努力や実力によって報酬や褒賞の差はあるが、一人の人間としての存在をしっかり認めているという「公平感」が重要なのだ。


ではそれをどのように行っていたのか?
実は、やったことは、次のたったの3つの事である。


まずは個人レベルでのサポート。
これは電話コーチングという形で週1
回行った。

また電話が苦手な人に対しては、メーリングリストを通してのコミュニケーションをきめ細かく行った。

多いときには1日30通以上のやり取りが行われ、メールの返信だけで1日に8時間以上時間がかかることもしばしばあった。
それぐらいに丁寧に行っていった。

なぜそこまで時間をかけるのかと思われるだろうが、このような、雇用関係がなく、利害関係が発生する組織では、そこまで丁寧にコミュニケーションを取らないと、必ず後でトラブルが発生する。

「私のことを大切に扱ってくれない」と誰かが思うと、そこで心理ゲームが発生し、他のメンバーを巻き込みながら、違った形で不満が噴出していくのである。

次に月一回の電話会議。
これはK氏がメンバーの質問に答えたり、最新のトピックを伝えた。
これは養成講座終了後、半年間のサポートとして行われた。
もちろんサポートし、レベルアップを図る効果もあったがそれ以上にK氏が「常にあなた方のことを大切にしている」というメッセージにもなった。

そして年2回の合宿会議。
合宿の効果は先述したとおりだ。
合宿によってより深い連帯感を高めながらビジョンミーティングを行うのである。

お互いがこれから先、どんなビジョンでどんな計画を持っているのか?
それを発表してもらい、同じような計画であればコラボレーションできるところはないか?
競業するところはどのように調整するのか?
そしてパートナー全体として何を目指し、何を行っていくのか?
そういったことを徹底的に話し合うのである。


夢だけでは食ってはいけない。

しかし夢がなければ、人は本来持っている力を発揮しない。


ミッションやビジョンがあってこそ、仕事に価値が付加され、仕事に大きな感動が生まれるからだ。

やはり、バランスが重要なのである。




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