2013年8月2日金曜日
大手の「顧客を根こそぎ奪う戦略」にどう対向するか? その2
前々回から見てきた、「ほけんの窓口」や「スーモカウンター」など、大手による顧客囲い込み戦略に対して、中小企業がどう対抗できるか?その本題である。
1.先手必勝、ミート打法作戦
2.川上・川下、トラップ作戦
3.真逆の法則作戦
この3つを私は上げたが、それぞれについて説明していこう。
1.先手必勝のミート打法作戦
これは、同じサービスでミート(合わせる)して、敵の未進出の地域や狭い地域を固める地域戦略があげられる。
大手が来る前に、あるいはその地域でまだ出店されてないところへ先に同じような店舗を出店する。大手が更に手を広げて進出しようと思っても、人口20~30万人の都市ですでに3店舗ほどあれば、出店しよと思わないし、出店してきたとしても後発ではお客はつかない。
ただ、大手のネームバリューがあるので、大手が同地域に出店してきたときは、さらにそれ以上の付加価値やサービスも検討することが必要だ。
この成功例が家電量販店で業界1位のヤマダ電機に対抗しているケーズデンキである。
関東より北を完全に抑え、業界3位でありながら、業界2位のディオンよりもはるかに利益性が良い。
ランチェスター法則で言うところの1位の2乗作用(市場1位になれば利益は2乗倍に良くなるという法則)をケーズデンキはヤマダ電機に与えていないからだ。
ただし、「スーモカウンター」に対抗して、地場工務店がこれを行うのであれば、その地域で他の数社の工務店と業界団体などを立ち上げて、中立性を担保しなければならない。
2.川上・川下を抑えるトラップ作戦
これは、紹介所に向かうお客の入り口と出口どちらか、あるいはどちら共両方に、仕掛けをしておく作戦だ。
例えば・・
「相談所に行く前に知っておくべき3つのことがあります・・」
「相談所に行った後に、また寄って下さい。そこで紹介いただいた会社と我が社をぜひ比較して欲しいのです」
などのコピーやトークが使えるだろう。
ただし、
「○○紹介所は、いいところです。ぜひ無料相談を受けてみて下さい」
「 ただ、この点だけは注意しましょうね」
このように紹介所を褒め殺し(?)にすることを忘れずに。
そうすれば、大手から文句が入ってこないし、お客もあなたの会社の中立性を好意的に見てくれるからだ。
この川上・川下作戦の好例は、中国・九州地方で大型ショッピングセンター「ゆめタウン」を展開するイズミだ。この会社は、競合が多い都心部はもちろんのこと、ライバルの多いベッドタウンの中心部にも出店しない。
住宅地域と商業地域を結ぶ大きなバイパスが1本しかないところを狙って、ぽつんとその中間地点に出店する(郊外店舗の集積地ではないので地価も安い)。地方では90%以上が自家用車で通勤するので、必ずそこを通らなければならないからだ。住居の近くで買い物するより品揃えも豊富であれば、帰宅途中に立ち寄ってもらえる。イオンも最近このことに気づき始め、似たような作戦をとっている。
3,真逆の法則作戦
これは自分でいくつかアイデア考えてみてほしい。
ヒントは携帯電話やスマートフォンのカンタンケイタイ、カンタンスマホなどである。
高機能化、高付加価値化していくモバイル機器の流れに、あえて逆の発想で機能を削っていく戦術だ。
その他にも、こんな作戦も考えられるだろう。
4.コバンザメ作戦
これは、大手紹介所にビッタリ寄り添って迎合してしまうことだ。
その紹介所で最大の紹介をもらうために・・
顧客への営業以上に紹介所への営業をかける。
常に、新しい有益情報やコンテンツを届ける。
担当者とのコミュニケーション強化を図る。
紹介所の担当者も人間だ。やはり良くしてくれるところ、顔を欲出してくれるところに優先的に紹介するのが人情だ。
5.ネガティブキャンペーン作戦
最後に相手の批判情報を流すという対抗策もある。
欧米の選挙やCMなどでよく行われれる。
ジャスミン革命ではないが、ネット上で批判されている情報を拡散する。
あるいは「あそこはいい相談所ですが、こんな噂もありますので気をつけてくださいね」と見込み客に伝えるなど。
ただし日本人はフェア精神を大切にするので、使い方によると逆効果になることもあるので、使い方にはくれぐれも気をつけたい。
その他にも、色々と対抗策が考えられるだろう。
住宅業界の方で、また近くにスーモカウンター」が出店していないのであれば対抗策を今のうちからぜひ、準備して欲しい。
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